嘘は輝(ひかり)への道しるべ
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 真二がステージに立つ前に、リョウが耳元でこそっと囁いた。

「最前列の一番右の子見てみろよ。めちゃ可愛いぜ」
 リョウの言葉など、真二は気にして居なかったが、曲の途中でリョウが真二に客席を見ろと合図を送って来のだ。


 アンコールが終わり拍手が響くなか、真二はステージを後にした。

 今までの苦しみが溶けていくようで、胸の奥底の熱い気持ちが溢れていた。


 今まで、書いた曲は勿論全て気に入っていたし、大切にしていた。

 でも、『嘘はひかりへの道しるべ』だけは特別だった。

 始めて一人の人を思って書いた曲だった。

 それに気付いてくれた、リョウや隆には感謝しかない。



 楽屋に入ると真二はメンバーに深々と頭を下げた。


「ありがとう」


「俺達は何もしてないよ」

 ドラムの隆がペットボトルのドリンクを飲みながら言った。


「リョウ……」

 真二がリョウの前に立った。


「あの曲、愛輝ちゃんの為に作ったんだろ? さすがの俺でもあの曲は歌えんよ」


「ありがとう」

 真二の目から涙が落ちた。


「おい! 泣かせるなよ… 今日のステージ、お前と愛輝ちゃんの涙に、俺なんか貰い泣きで、前が見えないままドラム叩いてにたんだからな! 愛輝ちゃんの事、大事にしろよ」


 隆が涙目をごまかすように、真二の肩を強く叩いた。


 その時、楽屋のドアがノックされた。


「こんにちは! 久しぶりです」

 あゆみがタイトのミニスカートで、ヒールを鳴らし入って来た。


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