最初で最後の恋だから。ーセンセイー
「・・・須藤。」

滲んだ目に映るのは古賀君だった。

そっと温かい手が私を包む。

「泣くな。」

私の好きな人は古賀君じゃない。

解っていても今は誰かに縋りたかった。

自分の存在を肯定してくれる人が欲しかった。

「一緒に帰ろう。』」

乾ききっていない髪に古賀君はスポーツタオルを掛けてくれた。

「洗濯してあるヤツだから。」

ふんわりと日溜まりの香りがした。

バスには乗らず歩いて駅へ向かった。

「小西との事、聞いちゃ駄目か?」

「巻き込んじゃうから。」

「お前はもっと人を・・・俺を頼れよ。
巻き込まれてもいい。
前にも言ったけどお前が泣くのは嫌なんだ。」

「・・・お前の事が好きだから。」

それは初めて受けた恋の告白だった。
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