お姉ちゃん、ごめんね…
20歳になり、親の援助なしで生活している。
仕事にも慣れて、後輩にも恵まれて、上司もいい人ばかり。


違う店舗の人との交流も少しあり、充実していた。
デートする相手もできた。
ケータイの着信も待ち受けも彼ばかり。

仕事が忙しいのも理解してくれて、趣味もまぁまぁ。
お互いのお城を行き来して恋人って実感がますますわく。
本当にこんなに幸せで良いのか、いつかバチが当たるのではと、不安になるくらいだった。


「ゆうな、親に挨拶しなくていいのか?」

「えっ!?なんで?別にいいんじゃない」



別にまだ結婚するわけでもない。
この人と本当に結婚するとはまだ決めていない。

だって、親に紹介して…
たとえば彼を気に入ってくれたとしても…

たとえばそれが上手くいかなくなった時、もしも別れてしまった時…


きっと親は悲しむから。



それは、わかるから。

きっと気を使わせちゃうから。


お姉ちゃんの時がそうだったから。




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