午前0時のシンデレラ

繋いでいる手をギュッと握り締めて、一緒にいてくれることを実感する。

握った手が、ためらいがちに握り返されて、

立ち止まり、彼女を振り向いて、その顔をじっと見つめると、

あの俺を射抜くような瞳が、メガネ越しに向けられた。

「……社長、どうかされたんですか?」

眼差しを上げて、さっきと同じようにも言うのに、

「……その、社長っていうのやめないか? なんか仕事の延長みたいだから」

と、伝える。

「だけど……」

「……じゃあ、せめて一条さんとか……」

いきなり名前で呼んでくれとは、この期に及んでもまだ照れてしまいそうで言えなかった……。



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