午前0時のシンデレラ
「はい…一条…さん…」
名字で呼ばれただけなのに、特別な響きがあるようにも聞こえてドキリとする。
「…ああ、えっと…そこ座るか?」
赤面しそうで、芝生を指差して彼女の手を引いた。
腰を下ろして、柔らかな草の上に身体を倒した。
「……気持ちいいな…」
傍らで、彼女は膝を抱えて座って、キラキラと降り注ぐ初夏の光の中で柔らかに微笑んでいた。
「……可愛い…」
「え…?」
「……可愛い、すごく…」
彼女の身体を両手でつかまえて、隣に横たわせる。
かけているメガネをはずして、
「こうすると、もっと可愛くなるな…」
額に唇を付ける。