午前0時のシンデレラ

夜空を振り仰いで、

「……俺に、ままならないものなんて、ないと思っていた……」

言う。

「……この空さえも、思い通りにできるのかもしれないと、今までは感じていた……」

黙って隣で聞いている彼女に、もたれて話し続ける。

「……だが、君だけが思い通りにならなかった……。思うようにもならない君に、俺は何度も行き詰まって諦めかけた……」

頭を抱き寄せて、頬を付けて、

「……でも今は、君を好きでいて……本当によかったと思う」

言い終えると、なぜだか滅多に流れることもない涙が滲んだ。


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