午前0時のシンデレラ
「……栞、」
耳に頬を寄せる。
……名前だけをくり返すことしかできずに、
「……もう少し、抱いていたい……」
やっとそれだけを言うのに、彼女が小さく頷く。
何も言えずにもいる俺の背中に、彼女の手がそっと伸びて、
「……私も、あなたのことが好きですから……」
気持ちを汲み取るように話して、ふわりと微笑った。
その笑顔に、導かれるように、
「……。……俺も、好きなんだ」
喉の奥にあったセリフを声に出して、柔らかく長い髪を撫でた。