午前0時のシンデレラ

社長室に戻って、(俺は、何をしているんだ)と、思う。

彼女にもそれとなく課長に伝えておくと言ったはずなのに、あれじゃ明からさますぎるだろうが……。

自分でもどうしてそこまで彼女に固執しているのかがわからなくて、感情の抑制も効かないような自身が訝しかった。

あの目だ……と、思う。

あの、俺をじっと見つめる強い瞳……心の奥までも見透かすようなあの瞳が、頭にこびりついて離れなくなるんだ……。

頭を振り、隅に貼り付くような彼女の目を追い出して、

「……バカげてるよな」

一人、呟く。

なぜ、そんなに気になるんだ……なんの関わりもない彼女のことなんかが……。

なんの関わりもない、か……そう考えると、なぜだか虚しさが込み上げた……。



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