午前0時のシンデレラ

三枝と喋っていると、軽くスーツの袖が引かれて、

「うん?」と、彼女に顔を向けると、

「……社長、恋人とかは……」

声をひそめるようにして言われた。

「……いいだろう。今夜は君は俺のパートナーなんだから。振りでも、恋人でいてくれ」

頭をスッと抱き寄せて、そう耳打ちをすると、

「仲のいいことで……」

三枝が笑って、

「じゃあ、今日は楽しめよ?」

と、行ってしまう。

その傍らで、彼女が小さく、

「……社長の恋人なんて、私にはもったいないですから……」

と、呟いた。


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