七月八日のながれぼし
ミツルと約束を交わした日のように美しい星空と見つめあっていると、背後から物音がする。
だけどその理由をわかっていたから、ただ黙っていた。
小学校のプールサイドに腰かけたあたしの隣にミツが腰を下ろす。
あたしと同じようにプールに足を浸したことで、水は少しだけ揺れる。
1日経って落ち着いたことで、彼を拒絶する気にはなれなかった。
どうしてここがわかったんだろうと思わなくもない。
だけど、気づけば隣にいる。それがあたしたちだったね。
「ねぇ、ナツは、光流のことが好きだったでしょう?」
「っ、」
「だから僕を選ばない」
核心を突いた言葉に息がつまる。
あたしは現実の中で喘いで、呼吸は、なんて苦しいんだろう。
「……そうだよ。あたしはミツルのことが好きだった」
だから君があいつじゃないこと、それでもどこかあいつのままなこと、悲しくて仕方がなかった。
かんたんに受け入れることはできない。
あたしが家に帰ったあの日、あたしのいない時に彼は死んだ。
ここであたしが目の前のミツを選んだら、本当に彼は帰って来ないみたい。
また死んでしまう。