きっとあなたは知らないでしょう?

チャンス.....

とカホが廊下にいる男子の方を指差した。
―ナカヤマ ノゾム―
知ってる名前。
小学生の時,サッカーチームに入っている友達に見せてもらった写真に写ってた人。
会うコトはないと思ってた
「ウソ?あれが?」
昔の写真とは違った。
背が伸びて
肌も焼けてて....
今まで2組にいるコトも知らなかった。
正直,かっこいいと思った
だけど好きにはならなかった。まだそんな余裕がなかったのもあるし,友達のミカちゃんが中山を好きだったから。
ミカちゃんは恋愛になると怖い子だから。
その時はホントにミカちゃんを応援してた。
だけど,ミカちゃんと中山の話をしているうちに一緒に見ているうちにどんどん胸が痛くなっていった。
その気持ちがなんなのか,気づき始めた頃,ミカちゃんが言った。
「私好きな人変わったぁ」
ミカちゃんは結構好きな人が変わるタイプだった。
だから,驚きはなかったしそれよりも喜びの方が大きかった。「そうなんだぁ.....」
私の気持ちは言わなかった
だって,応援するって言っときながら.....
とは思われたくなかったから。ずるいカモだけど,
まだ言うのは早いと思った....。

「ユウ彼氏できたって!!!」
「ウソ!?マジでぇ~」
―荒貴悠人―
ユウの彼氏
普通の人なのになぜか特別支援学級のクラスに通ってる。
ユウに彼氏は正直驚いた。
身長高いしかわいいし小学生の頃もモテてたケド
そんなタイプじゃなかった。
こういう話をしているとやっぱり聞かれる。
「仁は好きな人誰?」
「え~,アヤカは?」
「話をそらさない!!!」
言うか迷ってた。
だけど,アヤカは友達やし....
「...中山」
「ウソ!?」
隣にいた香里が言った。
「でも,2年に彼女おるよ」
「....うん。知っとるよ。」
こう答えた。
でも,ホントは初めて聞いた。今までこんな気持ち知らなかった。
最初から叶わない恋なんてしたコトなかった。
胸がいたいよ......

それからミカちゃんにも言ってみた。
すると,驚いてたケド応援するって言ってくれた。

「うわ~最悪~↓今日傘持って来てないよ」
突然の雨にみんなテンション下がっていた。
「仁,あれ.....」
前をみると中山と2年生が一緒に帰っていた....
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