年下属性はありません!
「そうそう,木村先生」

私が大学生との色恋沙汰がないことを強く確信していると,高山先生が声をかけてきた。

「どうされましたか?」

「実は今日,他校の講師の先生がお休みで急遽人が足りなくなったんですよ。すみませんが,私これからヘルプに言ってくるので,ここのことをおまかせしてよろしいですか?」

塾長が外出することは割とよくある。

どこも講師不足なのだ。

「了解しました!大丈夫です!気をつけて行ってきてくださいね!」

元気にお見送りする。

うん,私失恋したばかりには見えない。

「ありがとうございます。助かります。」

どーんと,大船にのったつもりでいてください!

なんて言わないが

まぁ実際特になにもすることはないのだ。

いつも通り授業をして,終わったら本部への報告とお掃除,最後にトイレの電気を消しておしまい。

私が代理ですることと言えば,戸締まりをしっかりすることくらいだ。
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