晴れのち曇り ときどき溺愛
 営業室で見城さんの隣で自分に与えられた範囲の仕事を少しやってみた。井上さんから教えて貰ったことで出来る範囲で作ってみる。慣れないことをしているし、自分の中で、このようにしたいというのは纏まっているのに実力の無さで形にならない。


 それでも、どうにか出来た部分だけを見て貰うことにした。自分で出来たと思っているけど、見城さんはどう思うだろう。


「少し見て貰えますか?」


 見城さんに言われてから既に四時間が過ぎていた。途中で買ってきたサンドイッチを食べたりはしたけどそれでも今日は必死にパソコンの前に噛り付き、一つ目の単元の大まかな構成を考え、自分なりに頑張った。


 私がプリントアウトしたものを見城さんに見せると、見城さんは自分の仕事を止め、それを見つめた。そして、眉間に皺を寄せ、赤ペンを取ると途中からアンダーラインを何本も引く。

 かなり大胆に引かれ、戻された。

 見城さんは私の方を見てなくて画面ばかりを見ている。見城さんも自分の仕事があるのに、私の分を見てくれただけでも有難かった。


「ラインを引いた部分をもう一度見直して。システムを作動させた時に負荷が掛かりすぎる。もう少し簡潔に。それと使用者が見る部分にある画像が余りにも単調になるから初心者には使いにくい。でも、全体的には悪くない」
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