晴れのち曇り ときどき溺愛
「はい。分かりました」

 見城さんの指摘により引かれた線の箇所は多くて、やり直してみないと分からないけど、きっと指摘は正しいのだろう。一つ一つ確認をしながら私は仕事を進めることにした。


「そろそろ俺は帰るが、諸住さんはどう?」


 そう言われたのは井上さんも斉藤さんも絵里菜さんも退社した後だった。今日はみんな客先に行っていて帰ってきたかと思うと、用事があるとみんな帰ってしまい、残ってるのは見城さんと私だけになっていた。私は昼に見城さんにラインを引いて貰った部分に手こずっていた。


 その何度も悩んだ先に少し糸口が見えたところだった。


「もう少し居てもいいですか?」

「それは構わないけど、最初からそんなに頑張ると息切れする。答えを教えてあげるのは簡単だけど、ここは自分で頑張った方がいい」


 そう言いながら、見城さんは自分のパソコンの電源を落とした。私の手元を見てないようでチラッと見ながら確認してくれていたのも私には分かっていた。厳しいことを言いながらも優しい。

「ありがとうございます。私ももう少ししたら帰りますから」
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