晴れのち曇り ときどき溺愛
 本当に仕事の事となると妥協できない人だとつくづく思う。でも、この妥協しない性格が会社から独立させ、勤めていた会社に取引をさせるのだから凄い。


「食事どうする?忙しいの?」

「さすがにもう無理。梨佳と話しながら食べる。ビールでいいか?お茶もあるが、この時間ならビールだろ」


 そう言うと、拳は自分の机から作業台の方に来ると、そこにあるカラーガイドを端に寄せて、拳と私が座って食事をするくらいの狭い場所を作ってくれた。そして、私の答えを待つ前に冷蔵庫から冷えたビールを取り出し、私に手渡した。そして、自分はさっさとプルタブを開けて、乾杯もしないうちに口をつける。煽るというような飲み方にもしかしたらビールではなく、何かを飲むのも時間がなかったのかもしれないと思うくらいの勢いでビールを飲んでいく。


「喉乾いてたの?」

「ああ。乾いていたけど立つのが面倒だった。マジで生き返った。さ、早く食おうか」

「うん」


 この様子から見ると本当に修羅場なんだろう。でも、そんなに忙しいのに何で私を呼んだのだろう。琉生の事での話というのは…琉生が私に思いを打ち明けたことなのだろうか?


「美味そう。お金は後から払う。今は食う。いただきます」

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