晴れのち曇り ときどき溺愛
 そういうと余程飢えていたのか、拳は美味しそうに食事を始めた。私もビールを少し飲んでからデリで買ったサラダに手を付けることにした。今日は鶏のささみと水菜のサラダ。弁当はおかずのいっぱい入ったもので私は弁当だけだけど、拳のには別におにぎりもつけた。

「足りそう?」

「ああ。カップ麺もあるから大丈夫。あ、このサラダ。美味しい。弁当も美味しい。こういう店ってやっぱり女の方が知っているよな。梨佳に頼んで正解」

「ねえ、琉生の話って何?」

「ああ。メシが美味すぎて、その事で呼び出したのを忘れそうになったよ。あのさ、俺の会社さ、結構業績が良くて規模を拡大したいと思っているんだ。で、これを機に、俺は仕事をデザインだけにして新たに営業を雇いたいって思っている。琉生を俺の会社にと思っている。梨佳はどう思う?」


 拳の会社の業績がいいのは聞いていた。最初は仕事を請け負う営業からデザインの制作、経理事務まで拳は一人でこなしていた。

 しかし、規模を拡大するにしたがって、経理事務をする社員を一人とウェブデザイナーを一人を雇ったと聞いている。経理事務の人もかなり優秀なので経理事務だけでなく簡単なデザインの仕事も出来ると聞いていた。

 琉生を営業にヘッドハンティング。それは拳が自分の会社を大きくするために親友であり、仕事を出来る琉生を片腕に欲しがるのも無理はない。

「何で私に聞くの?」

「梨佳の話を琉生から聞いたから」
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