晴れのち曇り ときどき溺愛
「第一営業課システム課です。室長は下坂さんと言う人で私以外は全員システム課だったので、私だけが余所者って感じ。今日はコピーとお茶くみと資料作成をしました」


「何かの間違いじゃないの？システム開発の下坂と言えば…。悪いことは言わない。諸住さんが望むなら俺と玲奈と一緒に会社を移動しないか？今からでも遅くないと思う。まだ、たった一日だ。辞めるなら今だと思う。後のことは俺と玲奈がどうにかする」


　確かにたった一日で、非常に疲れた。だからと言ってすぐに辞めるというのも何か違う気がする。


「システム課と下坂さんに何かあるのですか？」


「システム課はＳ＆Ｓの実質的な中心部で業績は新会社の半分の売り上げを弾きだす。システム課では入社と同時にアメリカの共同会社で一年間みっちりと勉強させ、実力を養った精鋭が戻ってくる。システム課には井上という社員がいて、彼がアメリカで鍛えられた社員を詳細な教育を施していく。そして、室長の下坂は妥協を嫌う男だよ。女性であろうとそれは例外ではないと思うから、諸住さんは苦労すると思う」


　常務が辞めた方がいいというなら本当に辞めた方がいいのかもしれない。でも、私は…頷けなかった。もしも、辞めるなら琉生に拳の会社に誘われた時に行っている。


「梨佳は自分の意思を変えないわよ」


　そう言ったのは玲奈だった。
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