晴れのち曇り ときどき溺愛
「でも、頑張らないと期日に間に合わないかもしれないです」


 あれだけ頑張って仕事をしてもまだ初めの方が終わっただけだった。


「今回の事だけでなくウチの課は一人に対する仕事の割り当てが多い。自分の手に負えないと思った時は周りに声を上げて。手の空いているものが諸住さんの仕事を手伝うから」

「営業補佐の仕事を営業が手伝うのですか?」

「諸住さんは営業補佐だけど、この課の一員であることは間違いないだろ。営業補佐であっても皆で手伝うよ。それが一緒に仕事をする仲間だから」


「ありがとうございます。あの、頑張ります」

「期待している」

「あの、コーヒー代は?」

「頑張っている諸住さんに差入れ。それと、上司として言わせて貰うけど休み時間はきちんと取って貰わないと困る。そうでないとこれから仕事を頼みにくい」

「ありがとうございます。きちんと休みます」

「ならいい」


 下坂さんは自分の席に座ると仕事を始める。私は貰った缶コーヒーに口をつけると少しだけホッとするような気がした。微糖のコーヒーは疲れを癒しながらもシャキッとさせてくれ、下坂さんの優しさが嬉しかった。
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