魅惑への助走
 「うわっ、ゴール前でバックパスするなよ!」


 上杉くんは代表戦にかなりエキサイトしている。


 ビールを口にしながら、様子を窺う私。


 だけど試合が終わるまでは、次の段階に進むのは無理そうだと判断。


 私もビールを飲んだり、おつまみを食べたりしながら、サッカーを真面目に観戦することにした。


 「上杉くん。今度代表戦が関東近郊であったら、一緒に観に行かない?」


 「行きたいな。でもチケットなかなか手に入らないよね」


 「職場のツテで、手に入ることがあるんだ」


 それは……SWEET HEART経由で。


 「ほんと! それはすごいな。一度代表戦行ってみたかったんだ」


 以前にもチケットが余ってるからって、誘われたことがあったけど。


 冬場だったこともあり寒そうで面倒だし、お断りしてしまっていた。


 その話をしたら上杉くんに、もったいないと怒られた。


 (もちろん笑いながらだけど)
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