魅惑への助走
 その時の「男が初体験」バージョンを参考に、今後の展開を……。


 「私をこんなにして……、何もしないで帰るつもり?」


 逃れない状況を作り上げて、挑発的に上から見下ろし、迫る。


 「私を抱く? それとも抱かれてみる?」


 「明美の好きにして……いいよ」


 もうこの状況で、断固拒否はあり得なかった。


 私に身を委ねることをとっくに望んでいたようで、全て言いなりになってくれた。


 一夜限りではなく、これからもずっとこうして抱き合っていられることを祈りつつ。


 「そろそろ……いいかな」


 もう大丈夫だと判断し、一つに繋がろうと体勢を入れ替えた。


 この人の初めては、私のもの……!
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