魅惑への助走
***
「お疲れさま」
帰り際、オフィスに不意の来客があって。
お茶の準備をしたり片付けたりする都合で、退社が30分ほどずれ込んでしまった。
隙を見て上杉くんにメールをして、30分待ち合わせ時間を後にしてもらったら。
その間に、二人でする予定だった買い物を終わらせてくれていたようで、買い物袋を手にしていた。
「ごめんね。全部任せちゃって」
「いいよ。作るのは俺だから」
部屋に上がるようになった間柄となったため、上杉くんが夕食を作ってくれるという。
ずっと外食ばかりだったから、せっかくだから食事を作ろうって話になって。
私はほとんど料理はしないと告げたところ、上杉くんが作ってくれると言い出した。
食事代節約のため、時間のある時に食材を買い込んで、作り置きをして冷凍庫に保存しているとのこと。
だから料理は慣れているそうだ。
「本当にいいの?」
「うん。俺の作った料理を、明美に食べてもらいたいから」
「嬉しい」
どうも男女逆転しているような私たち。
「お疲れさま」
帰り際、オフィスに不意の来客があって。
お茶の準備をしたり片付けたりする都合で、退社が30分ほどずれ込んでしまった。
隙を見て上杉くんにメールをして、30分待ち合わせ時間を後にしてもらったら。
その間に、二人でする予定だった買い物を終わらせてくれていたようで、買い物袋を手にしていた。
「ごめんね。全部任せちゃって」
「いいよ。作るのは俺だから」
部屋に上がるようになった間柄となったため、上杉くんが夕食を作ってくれるという。
ずっと外食ばかりだったから、せっかくだから食事を作ろうって話になって。
私はほとんど料理はしないと告げたところ、上杉くんが作ってくれると言い出した。
食事代節約のため、時間のある時に食材を買い込んで、作り置きをして冷凍庫に保存しているとのこと。
だから料理は慣れているそうだ。
「本当にいいの?」
「うん。俺の作った料理を、明美に食べてもらいたいから」
「嬉しい」
どうも男女逆転しているような私たち。