魅惑への助走
「あ、危ないんだけど。指切りそう」
私に抱き付かれても、野菜の千切りをやめない上杉くん。
薄いTシャツ越しに互いの熱が伝わり、体が熱くなり、欲しいという気持ちが止められなくなる。
今は料理よりもまず、
「ねえ。しようか」
「えっ。な、何を」
「分かってるくせに」
「……」
包丁を動かす手が止まる。
「こっち来て」
それを同意の合図とみなし、向こうの部屋へと連れて行こうとしたら、
「い、今中断したら、野菜が干からびる」
食材の保全を要求するので、一度作りかけのものを片付けることにした。
丁寧にラップをかけるなどして、野菜を冷蔵庫に入れている。
それからシャワーも要求された。
「一緒に入ってもいいけど」
「いや、いいから!」
恥ずかしがって逃げようとする。
「もう散々見られてるのに」
今さら隠しても手遅れなのに、彼なりの恥じらいがあるようで。
私から逃れるように、バスルームへと消えていった。
「じゃ、ベッドで待ってるから~」
ドア越しに伝えておいた。
私に抱き付かれても、野菜の千切りをやめない上杉くん。
薄いTシャツ越しに互いの熱が伝わり、体が熱くなり、欲しいという気持ちが止められなくなる。
今は料理よりもまず、
「ねえ。しようか」
「えっ。な、何を」
「分かってるくせに」
「……」
包丁を動かす手が止まる。
「こっち来て」
それを同意の合図とみなし、向こうの部屋へと連れて行こうとしたら、
「い、今中断したら、野菜が干からびる」
食材の保全を要求するので、一度作りかけのものを片付けることにした。
丁寧にラップをかけるなどして、野菜を冷蔵庫に入れている。
それからシャワーも要求された。
「一緒に入ってもいいけど」
「いや、いいから!」
恥ずかしがって逃げようとする。
「もう散々見られてるのに」
今さら隠しても手遅れなのに、彼なりの恥じらいがあるようで。
私から逃れるように、バスルームへと消えていった。
「じゃ、ベッドで待ってるから~」
ドア越しに伝えておいた。