魅惑への助走
 SWEET LOVE本社に到着。


 今日は月曜日なので、朝から製作会議。


 社長がまだ到着しないので、私は席で資料に目を通しながら、日本語で「紅い牡牛」という意味のドリンクを飲んでいた。


 「また朝から牛マーク?」


 買ったばかりの缶コーヒーを手にした榊原先輩が、私に話しかける。


 「胃に刺激が強すぎるんじゃないの?」


 「これくらい刺激のあったほうが、頭がすっきりするんですよ」


 今日が週の初めだというのに、すでに眠気に取り付かれている。


 部屋に彼氏と住んでいると、自分のペースで生活ができないというか、つい生活リズムが乱れてしまう。


 ベッドの中で深い眠りに落ちるのが妨げられる。


 せっかく二人で過ごす夜は、ぬくもりを確かめ合わずにはいられないような誘惑に駆られてしまう。


 そのため寝不足となり、眠気防止のためにカフェインの多い飲料で気合いを入れる。
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