魅惑への助走
 「そっか、カードで支払えばいいんだね。ATMでお金下ろしたら、この時間なら手数料かかるし」


 今十万円前後現金で支払うのは苦しいので、とりあえずカードで支払いを済ませた。


 しかしお金を支払ったという事実に何も変わりはなく、数ヵ月後、若干忘れつつある頃にドカンと請求が来るだけなのだけど。


 まずは急な出費を回避。


 「ポイントカードも作っておいてよかったね。今回の買い物でかなり溜まったから、もうすぐデジカメとか買えるくらい溜まるんじゃない?」


 上杉くんは、結構マメだ。


 男はポイントを溜めるとかクーポンを使うといった節約行為に無頓着な輩が大部分だけど、上杉くんはそういう点はマメだった。


 「よかったね。配送も無料でしてもらえるし。加えてテレビの設置も」


 テレビの背面の配線がよく分からなかったので、お店のサービスマンがやってくれるとは非常に助かった。
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