魅惑への助走
「いや、真面目な話。少しでも爪が伸びていたら引っかかってあそこが痛いでしょ。それを阻止するために、爪やすりは男優の必需品」
武石さんは財布を取り出すと、その中に入っている持ち運び式爪やすりを見せてくれた。
不自然なくらいに短い爪。
男の人の長くしなやかな指先、形のいい爪に憧れていた私には、少し異様に感じられた。
「あまりに指先にばかり気を使っているから、友達に『お前、ピアニストかよ』ってからかわれたことあったよ」
「指は……商売道具ですもんね」
「商売道具。まさにその通り」
武石さんは笑った。
「あとね、指だけじゃなく、体調管理にもすごく気をつけているから、アスリート以上だってからかわれることも」
「規則正しい生活が必要なんですか」
何となくAVの撮影って、夜中とかにやっていそうなイメージだったから、生活が不規則になりがちゆえに自己管理に気を配らなければならないのかと思った。
武石さんは財布を取り出すと、その中に入っている持ち運び式爪やすりを見せてくれた。
不自然なくらいに短い爪。
男の人の長くしなやかな指先、形のいい爪に憧れていた私には、少し異様に感じられた。
「あまりに指先にばかり気を使っているから、友達に『お前、ピアニストかよ』ってからかわれたことあったよ」
「指は……商売道具ですもんね」
「商売道具。まさにその通り」
武石さんは笑った。
「あとね、指だけじゃなく、体調管理にもすごく気をつけているから、アスリート以上だってからかわれることも」
「規則正しい生活が必要なんですか」
何となくAVの撮影って、夜中とかにやっていそうなイメージだったから、生活が不規則になりがちゆえに自己管理に気を配らなければならないのかと思った。