魅惑への助走
そして……。
「武石さん」
人気AV男優・武石タケシさんに話しかけた。
私の二十年余の人生において、AV男優を目の当たりにするのも、話をするのも何もかも初めて。
同じ人間のはずなのに、なぜかドキドキしてしまった。
この人はアダルトビデオに、主に性行為をする者として出演している人なんだと、心の中で防壁を作っているのかもしれない。
「なに? 明美ちゃん」
爽やかな笑顔。
距離が詰まる。
武石さん的にはこのような距離感、慣れているのかもしれないけれど。
私はあまり面識のない人と距離を詰めることに、かなり動揺してしまっている。
「爪、短いんですね」
何気なく口走ってしまった。
目を合わせるのが恥ずかしくて、そっと伏せた目線の先に映ったのは、武石さんの指先。
グラスに触れていたその指先。
爪が異様に短かった。
「ああ、これね。AV男優は常に爪をやすりで研いで、こんなふうにしているんだよ」
「どうしてですか」
「傷付けないようにするためだよ」
「何をですか?」
「女の子の大事なところ」
「……!!」
意味を察して、顔が赤くなってしまった。
「武石さん」
人気AV男優・武石タケシさんに話しかけた。
私の二十年余の人生において、AV男優を目の当たりにするのも、話をするのも何もかも初めて。
同じ人間のはずなのに、なぜかドキドキしてしまった。
この人はアダルトビデオに、主に性行為をする者として出演している人なんだと、心の中で防壁を作っているのかもしれない。
「なに? 明美ちゃん」
爽やかな笑顔。
距離が詰まる。
武石さん的にはこのような距離感、慣れているのかもしれないけれど。
私はあまり面識のない人と距離を詰めることに、かなり動揺してしまっている。
「爪、短いんですね」
何気なく口走ってしまった。
目を合わせるのが恥ずかしくて、そっと伏せた目線の先に映ったのは、武石さんの指先。
グラスに触れていたその指先。
爪が異様に短かった。
「ああ、これね。AV男優は常に爪をやすりで研いで、こんなふうにしているんだよ」
「どうしてですか」
「傷付けないようにするためだよ」
「何をですか?」
「女の子の大事なところ」
「……!!」
意味を察して、顔が赤くなってしまった。