魅惑への助走
 ……上杉くんと私の交際当時のことは、上杉くんが喋らない限りは外部に漏れるはずがない。


 きっと上杉くんが榊原先輩に過去をあれこれ暴露して、それを元に榊原先輩がストーリーを練り上げ脚本を書き上げているのだろう。


 私が働いていた当時、次回作の構想などは必ず社長臨席の会議にて最終決定されてGOサインが出されていた。


 それから推測するに、社長も佐藤剣身がストーリーの原案を述べているのを知っているはず。


 あえて竹田朱実を起用しているところからして、佐藤剣身と元カノはこの私であり、別れの理由など全てを把握されているに違いない。


 ……いつまで続くのだろう。


 私との交際に基いたAV製作は、いったいいつまで続けられるのだろう。


 復讐には終わりはないのだろうか。


 上杉くんが満足して、終息宣言でも出さない限りは、この復讐劇はエンドレスで継続していくのかもしれない。


 次は果たして何が暴露されるのか。


 私の不安な日々には、終わりが見えない。
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