魅惑への助走
「つまりは、危険を顧みずに不特定多数の相手と性交渉している子のほうが、私たちAV女優よりよっぽど日々危険に晒されているってわけ」
「言われてみれば、そうですね……」
「私たちこういう仕事してるから、変な目で見られることが多いけど。性病発症でもしたら仕事が来なくなるから、予防のために検査はこまめにしているし、撮影は生ではやらない」
「信用問題に関わるってわけですね」
「そう。この体が売り物だから。売り物にならなくなるようなことは、絶対に避けたいし」
「……ずっと続けるつもりなのですか」
「え?」
「このお仕事……」
一口、新たにオーダーしたカクテルを口にした。
「できて、あと数年かな。いつまでも続けられる仕事じゃないしね」
AV女優は大部分が二十歳前にデビューして、数年で引退してしまうとさっき教えられた。
若い子のほうがウケがいいこともあって、入れ替わりの激しい世界だと。
「好きでもない相手との性行為を撮られ、それが販売されるっていうのはストレスになったりもするし、心を病んじゃう子も多い。あとAV女優だってだけで興味本位に寄って来る男に騙されて、心身ともに傷付いてしまったり」
「言われてみれば、そうですね……」
「私たちこういう仕事してるから、変な目で見られることが多いけど。性病発症でもしたら仕事が来なくなるから、予防のために検査はこまめにしているし、撮影は生ではやらない」
「信用問題に関わるってわけですね」
「そう。この体が売り物だから。売り物にならなくなるようなことは、絶対に避けたいし」
「……ずっと続けるつもりなのですか」
「え?」
「このお仕事……」
一口、新たにオーダーしたカクテルを口にした。
「できて、あと数年かな。いつまでも続けられる仕事じゃないしね」
AV女優は大部分が二十歳前にデビューして、数年で引退してしまうとさっき教えられた。
若い子のほうがウケがいいこともあって、入れ替わりの激しい世界だと。
「好きでもない相手との性行為を撮られ、それが販売されるっていうのはストレスになったりもするし、心を病んじゃう子も多い。あとAV女優だってだけで興味本位に寄って来る男に騙されて、心身ともに傷付いてしまったり」