魅惑への助走
上杉くんは、高校三年の時の同級生。
私は高校を卒業して、大学進学のために上京するまで、ずっと地元である信越地方で過ごした。
高校三年次のクラスは、国立文系か難関私大文系を目指す生徒が集められた、進学特別コース。
そこで私と上杉くんは同じクラスになったわけだけど、特に親しいわけではなかった。
高校三年次は、修学旅行のような大イベントもなく。
受験のための授業と講習、模擬試験などがくり返されるだけで過ぎていったような気がする。
私も上杉くんも私大文系志望だったものの、社会科の選択科目が異なって別の授業だったりなど、あまり接点もないまま。
挨拶をするだけの間柄に終始していたと思う。
私の順位を脅かす存在であったのは覚えているので、勉強はできるほうだったはず。
だけど高校生活において番付が高い男子は、勉強ができる人っていうよりもむしろ。
派手な人やちょっと不良っぽい人。
もしくは野球やサッカーなどの、花形部活で活躍している人。
私の初めての相手が、まさしくそれだった。
私は高校を卒業して、大学進学のために上京するまで、ずっと地元である信越地方で過ごした。
高校三年次のクラスは、国立文系か難関私大文系を目指す生徒が集められた、進学特別コース。
そこで私と上杉くんは同じクラスになったわけだけど、特に親しいわけではなかった。
高校三年次は、修学旅行のような大イベントもなく。
受験のための授業と講習、模擬試験などがくり返されるだけで過ぎていったような気がする。
私も上杉くんも私大文系志望だったものの、社会科の選択科目が異なって別の授業だったりなど、あまり接点もないまま。
挨拶をするだけの間柄に終始していたと思う。
私の順位を脅かす存在であったのは覚えているので、勉強はできるほうだったはず。
だけど高校生活において番付が高い男子は、勉強ができる人っていうよりもむしろ。
派手な人やちょっと不良っぽい人。
もしくは野球やサッカーなどの、花形部活で活躍している人。
私の初めての相手が、まさしくそれだった。