魅惑への助走
 ……。


 「武田さんとこんなに話せるなんて、高校生のころは全然思わなかったよ」


 一通りの食事を終え、最後にデザートをそれぞれ食べていた時、上杉くんがそんなことを語り出した。


 「私って……近寄りがたかった?」


 「うん。成績も良かったし言動も目立つタイプだったから。俺らからすると相手にしてもらえないような気がして」


 ……確かに高校生の頃の私は。


 同級生の男の子たちを、どこか見下していたかもしれない。


 上級生と付き合っていた(つもりでいた)こともあり、自分はそちらの世界寄りというか、自分だけ先に大人になったような気がして。


 同級生の男子が、子供に見えて仕方がなかった。


 「あの頃の私、上から目線で嫌な奴だったでしょ」


 「別に嫌だとは。……ただ、先輩と付き合っていたの知ってたから。俺たちなんてガキくさかったし、話していてもつまらないんだろうなーって」


 「……」


 否定できない。
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