スリーアウトになる前に。
小鳥のさえずりが聞こえる朝の気配に、はっと目を開けて見知らぬ部屋を見回した。

目だけで自分の姿をチェックすると、結婚式用の服を着たまま。そして1人用には幅広のベッドの上には、他に誰もいない。

こわごわ起き上がって見ると、沢田くんがベッドのすぐ脇のフローリングの上のラグで、毛布もかけずにうつぶせに寝ていた。

私が身動きしたはずみで目が覚めたらしく、顔だけを上げて何が何だかわからない、という顔をした。

素早く辺りを見回して私に気づき、状況を一瞬で判断してるらしいその姿を、私は妙に客観的な視点で見下ろしていた。

『なんだ? なんで亜由美さん?』から『大丈夫だ、なんもしてないな俺』のところまで。

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