優しく奪って
『あ〜もうっ!10秒以内に答えないなら私が、あの中から決めちゃうからね!
10、9、…』




何も言えないでいる私にしびれを切らした律ちゃんの雷がとうとう落ちた。





えっ!ど、どどうしよう。


このままだと本当にあの中の誰かと二人きりにさせられちゃう!





『5…4…』






何て言えばいい?





『2…1…』




そうだ!!



「せ、生徒会役員やってる人がいいっ!!」







切羽詰まった私が言った言葉に律ちゃんは不思議そうな顔をした。






『生徒会?何で?』






「な、何となく?」






なんて、本当は嘘。

生徒会なんてあの中の人達がやってるようになんて見えないもん。



勝手に決めつけちゃ悪いけど、みんな遊ぶのに忙しそうに見えるし。


生徒会役員ならもっと真面目そうでしょ?




あの中にはいない




光伸君がそう言ってくれれば、いい人がいなかったって事で、お邪魔かもしれないけれど、律ちゃん達と一緒にいれる。





そんなズルい考えで答えた私にとんでもない言葉が聞こえてきた。





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