ホットケーキ!
澄翠の人なりはわからないけれど、顔が由文(よしふみ)に似ている事と、女の子たちに囲まれて、楽しそうにしている事から、さやかはその場から逃げ出したくなった。

「あ…あの、良かったら隣にどうぞ」

澄翠と積極的に話をしている小春に、声を掛けたが、小春は怪訝そうにさやかを見ている。

「あ、さやかちゃん、いい、いい!
コイツら、授業中によく寝る問題児だから、前がちょうど良いのよ」

「あのねぇ、前よりも真ん中以降のが目立つって知らないの!?」

「は、マジ!?
じゃあ、俺、前がいい!!」

「なーにが、コイツらは問題児よ。
あんたの方がよっぽど問題児じゃん!」

小春が澄翠を小突き、

「コイツね、中学の時、早弁してたの」

さやかに言った。
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