ドキッ!? 気になる彼と禁断×××生活!【強制完結】
もちろん、私はパニックですよ。そりゃ、もう。
≪脳内≫
「非常事態! 非常事態! これは訓練ではない! 繰り返す、これは訓練ではない!」
「総司令! ここは我々、告白特攻部隊に!」
「早まるな! まずは偵察隊の『今日はいい天気ですね』作戦を提言いたします」
「それでは、手遅れになりかねん! 工作隊の『右足と左足が絡まって、彼の胸にダイブ』計画の実行を!」
「バカな! 我々はもうコケているのだぞ。 ここは戦略的撤退しかないでしょう」
「臆病風に吹かれやがって、このチャンスを捨てる気か。 あえて、冷たくして相手の興味を引く、『クールビューティー』案を進言します」
「事件は現場で起きているんだぞ! そもそも、この状況をどう説明するつもりですか!」
「勢いでいけばいいのだ。 青春とは、勢いだ」
「ノーズ・ブリッジ封鎖できません! このままでは、鼻血が!!」
「いかん、頭に血が上っておる。 これでは、顔が赤くなって、好きなのがバレてしまう」
「以上、脳内スタジオからお送りしました。 現場にお返ししまーす」
≪現場≫
「あ、え、えーと?」
なぜか、まったく考えがまとまらない。
これは、困ったぞ。
どうしたらいいんだ。
というか、丈斗くんはどこだ。
あお向けのまま、キョロキョロと視線を動かす。
まず、見つけたのは腕だ。
腕だけしかなかった。
「へ?」
とれた?
ちぎれた?
え、丈斗くんって、プラモデルか何かだったっけ?
んな、バカな。
落ち着け。
本体を探そう。
手から、腕に視線を動かして、根本へたどる。
腕は、私の首の下を通って、反対側につながっているようだ。
あぁ、だから、腕しか見えなかったんだ。
ん?