ドキッ!? 気になる彼と禁断×××生活!【強制完結】
私は、とりあえず、のろのろと歩きだした。
友だちの家にでも泊めてもらおう。
れもんか、紅音なら、事情を話せば泊めてくれるだろう。
ボタ
ボタッタタタッ!!!!
しかし、私は、神にすら見放されたようで、
数分も歩かぬうちに、激しすぎる雨が降り始めた。
泣きたくなるのをこらえながら、私は、必死に近くの公園まで走った。
タコだかクジラだかをモチーフとした、よく分からない滑り台の下に駆け込む。
滑り台の下は、おままごとスペースとして作られたのか、小さなイスと低すぎるテーブルがある。
「・・・・・・。」
私は、ずっしりと重くなった服をしぼって、丸くくりぬかれた窓にかけた。
窓の外は、遠くの外灯に照らされた雨だけが白く、後は泥のような暗闇が溢れている。
当たり前だが、公園には誰もいない。
世界には、誰もいないのではないかと思うほど、雨音が全てを押し潰していた。