ドキッ!? 気になる彼と禁断×××生活!【強制完結】
スカートも同様に、しぼって干す。
こんな日に、誰かが公園に来るはずがない。
女子としての尊厳が危うい格好なのは分かっている。でも、それ以上に、どうしようもない。
顔に張り付く髪の毛を後ろに流す。
許されるのならば、全部脱ぎたい。
お気に入りの下着すらも、ひたりと肌にひっつき、私を苦しめる。
「あぁ・・・。」
携帯電話を取り出し、思わずうめいてしまう。
いくら、触れてもディスプレイに明かりがつかない。
恐らく、水没だ。 もう誰にも連絡できない。
携帯は私より先に溺れ死んだ。
私も、そう遠くない未来にそうなるのかも知れない。
いや、このままの状況では、確実になる。
「・・・・はあぁ」
壁に背中を預け、天井を仰ぐ。
コンクリートに触れた部分が冷たい。
冬まではまだ遠いが、夜は寒い。
さらに、濡れた場所から熱が逃げていくのが分かる。
床には、子どもたちが敷き詰めたのか、落ち葉があり、少しだけ冷たくはなかった。
それだけが救い。
深い深い絶望のなか、私は、数センチもない葉っぱに、救われた気分になっていた。
目を閉じる。
家は差し押えられた。
家族はいなくなった。
服は濡れた。
携帯は死んだ。
答えのない方程式が作られていく。
打開策を考えようにも、雨がすぐさま流していく。
無数の雨音が、ノイズのように鳴り響く。
どこまでいっても、聞こえてくるのは雨音。
雨音。
雨音。
雨音。
雨音。
雨音。
雨音。
雨音。
雨音。
雨音。雨音。
雨音。
足音。雨音。
雨音。
雨音。