同居人は国民的アイドル





………私の部屋じゃない。




一瞬焦ったけど、すぐに昨晩の出来事を思い出す。





そうだった。

昨日の夜、廉くんの部屋に上がり込んだんだった。





ん?





ってことは…………






はっと隣を見る。




だけど、そこに廉くんの姿はなかった。






そういえば、朝早いって言ってたような……




ただいまの時刻、朝の7時。




何時に出て行ったのかは知らないけど、人気芸能人は大変だなぁ…………




ぼーっと他人事のようにそう考えながら、私ものそのそとベッドから出る。





男の子らしい、シンプルな部屋。




綺麗に片付いているけど、クローゼットや引き出しが若干開いてる部分もあって。




完璧に見えて実はそんなこともない廉くん自身を表しているようで、なんだか笑顔がこぼれた。





…………なんて、人の部屋をじろじろ見てる時間はない。




「やっば!!遅刻しちゃう!!」




携帯の時計を確認した私は、大慌てで廉くんの部屋を出たのだった。









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