同居人は国民的アイドル
「ふぅ、余裕で間に合った〜〜〜!!!
みんな、おはよう!」
大急ぎで準備して家を出てきたからか、始業時間よりも大幅に早く学校に着くことができた。
髪もメイクもぐっしゃぐしゃだけど…………
まあ、間に合ったんだからよしとしよう!
「おはよ〜、里華」
自分の席に座ってパンをかじっていたらしい由奈が、振り返って挨拶をくれた。
「お、おはよう由奈!!」
由奈にそう挨拶を返すと、なぜか指をさされた。
ん?
首を傾げると、口パクで何かを伝えられる。
う 、 し 、 ろ
後ろ?
言われたとおり後ろを振り返ると、
「おはよっ、里華!」
聞き慣れた声がした、と思ったら大きな手で髪の毛をぐしゃぐしゃと雑に撫でられる感触。