同居人は国民的アイドル
「里華が図書室にいるとか珍し〜」
そんなことを思い出していると、いつの間にか翔大がすぐ近くまで来ていた。
「う、うん。たまには本でも読もっかな〜なんて」
そう言いながらゆっくり翔大から距離を取る私。
もしこの本を借りようとしていることがバレたら、絶対何か言われる。
翔大にだけは気づかれちゃいけない!!
そう思っていたのに。
「なんの本借りようとしてんの?見せて」
「…………あっ」
いとも簡単にひょいっと取られてしまった。
「ちょ、ちょっと!返してよ!」
ぴょんぴょんとジャンプして取り返そうとするけど、背の高い翔大に届くはずもなく。
「恋愛………心理学?」
見られたああああああ!!!!!
「いや、あの、えっと、これはですね………」