同居人は国民的アイドル
どうしよどうしよ。
これは絶対しつこく聞かれるやつだ。
なんて言い訳すればいいんだろ…………
「え…………里華、好きなやつでもいんの?」
翔大が真顔で呟く。
「い、いるわけないじゃんっ!!
これは、その…………と、友達の!!
友達のために借りようと思ってたやつなの!!」
じゃあ何でその友達が借りにこないんだよ、って自分でもツッコミどころ満載だと思うけど、言ってしまったものはしょうがない。
必死にそう弁解していると、
「ふーん」
翔大が本を見つめながら小さく頷いた。
「そうなんだ。…………はい、これ」