同居人は国民的アイドル
怒りを抑えて静かに言ったつもりだった。
だけど。
「ええええ!?廉、トマト嫌いだったの〜!?
ごっめーん、俺てっきり廉はトマトが大好きなのかと思って〜」
わざとらしく目を見開いてそう言うバカ希。
「………………」
こいつ…………まじ許さねえ。
「お前ほんといい加減に…………」
「あー、トイレ行きた〜〜い!
ってことで失礼しまーす!」
一瞬力が緩んだ隙に、バカ希はするっと押さえつけていた腕から抜け出した。
「お、おい!」
声をかけても振り返ることなく、勢いよく楽屋から出ていくバカ希。
…………あいつ絶対いつかしばく。