同居人は国民的アイドル
「えー、まじ?もらおーっと」
「俺も欲しい!」
後ろで海翔と亮太がはしゃぐ声が聞こえる。
いいよな、あの二人はトマト好きだし。
トマト好きなやつで分け合っとけばいいんだよ。
俺はいらない、と心の中で呟き、携帯を弄ろうとすると。
ポーンっと赤色の何かが膝の上に飛んできた。
それは、俺がさっき視界に入らないように目を背けたもので。
飛んできた方向を見ると、たくさんのトマトを両手に抱える亮太。
あの中のひとつを俺の膝に向かって投げたんだろう。
ってか、それよりも…………
「…………俺いらないんだけど」