同居人は国民的アイドル
え?
今…………
今………………
「あ、あと今日外で食ってきたから飯いらない」
「…………うん」
廉くんが何か言ったような気がしたから適当に返事したけど、全く頭に入ってこない。
だって、だって………………
「じゃ、部屋戻るな」
廉くんがそう言ってリビングを出ていく。
それでも、私はその場から動けなかった。
聞き間違いじゃなかったら、
妄想の延長じゃなかったら、
廉くんに今…………
「可愛いって言われた…………」
顔が一気に熱くなる。
雷に打たれたように、その場から動けない。
さっき、不安でドキドキしていた胸がまた高鳴り出す。
でも、今度は別のドキドキで。
「…………っ」
鳴り止まない鼓動を感じながら、私はいつまでも立ち尽くしていたのだった。