同居人は国民的アイドル
結局、雷の音から逃げるように廉くんの部屋の前までやって来てしまった。
きっと寝てるだろうし、こんなことしても意味ないのに。
頭ではそうわかっていても、音をたてないようにそっとドアを開けてみる。
あれ…………電気ついてる。
朝早いって言ってたし、てっきりもう寝てるかと思ってたのに。
そっと開いたドアから明るい部屋を見回してみると。
部屋の中央に、イヤホンをつけた廉くんの姿があった。
廉くんにしては珍しく、真剣な眼差し。
そして、その足は軽くステップを踏んでおり、手も同じようにリズムを刻んでいた。