盗撮教師日記
私は、職員室に向かい校長に今日の事故について事細かく説明した。

校長は、眉間にしわを寄せながらどうしてこのような事故がおきたのか原因は私にあるのではなどと質問されたが私は冷静に対応した。

私は、説明を終えると職員室を出て自分の教室に入った。

教室に入ると生徒は、席についており誰も話さず静かに私を見ていた。

「先生!!将吾は、どうなったんですか?」

宮城は、机に手を置き席を立って真面目な顔をして私に話しかけた。

「安心して?勝山君は、今救急車で病院に搬送されてます。意識はあるかどうかは分かりませんが生きていることは確認されたので安心してください。じゃー授業始めます。教科書の32ページを開いて」

私は、冷静と答えて授業を進めようとしたが生徒は一向に教科書を開こうとしない。

ましては、皆教科書をしまおうとした。

「教科書を出しなさい。授業を始めますよ」

私は、つい怒鳴り口調になってしまった。

すると水嶋がいきなり席を立ちだした。

「僕達は、もう先生の授業は受けたくありません。先生?あなたは、教師として失格……いや人間として失格ですよ?自分の生徒が刺されてしかもそれが自分に原因があるのにどうしてそんなに冷静で居られるんですか?僕達には分かりません」

私は、そのことに対して話そうと口を開こうとしたら他の生徒が一斉に立ちだ口々に「私も」「僕も」と言った。

私は、その状況に少し理解が出来なかった。

いや理解できないんではない。したくなかったのだ。

「私の授業が受けたくないなら出て行きなさい!!」

私は、頭の中が混乱しつい心にも思っていないことを言ってしまった。

生徒達は、鞄に教科書などを入れて教室を出て行った。

私は、自分でも分からないが止めなかった。

気がつくと教室には誰1人として残っていなかった。

今、私は過去の自分と今の自分が重なって見えた。

母親が他界したとき1人で誰も居ない教室で泣いていた。

誰も居ない教室――

これは、必ず私の運命を帰る場所となる。

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