盗撮教師日記
「将吾!!将吾!!」

竹田は、勝山の名前を泣き叫んだ。

だが、勝山の反応はなかった。

その状況をあ然として森本が見ていた。

私は、勝山のところへ向かい脈と心臓の音を調べた。

ドクンドクン

勝山の胸から心臓の音が聞こえた。

「まだ、勝山君は生きてます。皆安心して」

そういった瞬間教室にいた生徒全員が涙を流した。

「やったぁ」

皆、口々に言った。

私は、森本をにらんだ。

「森本……私の生徒をここまでして何がしたいわけ?私は、あなたの娘を自殺に追い込んだ可能性があるかもしれない。でも、その復讐で生徒を傷つけていいと思ってるの?傷つけるなら私を傷つけなさいよ!!たった1人を傷つけたと思ってるかもしれないけどそれは大きな間違えよ?クラス全体の生徒が心に傷を追ったにちがいない。あなたは私と同じ行為をしたのよ」

そういって私は勝山をおんぶし保健室へ向かった。

私は、今――

自分の過去に凄く後悔をした。

私は、森本さらなをいじめたこと。

そして、その前に森本と一緒に働いていた学校で事件があった。

その所為で私は転勤したのだ。

「先生っ勝山君は……」

新人の保健の先生は、まだこの状況は理解ができていなかった。

「理科室でナイフで刺されたんですよ。安心してください。意識があるかはどうか分かりませんが心臓が動いてるのでまだ生きてますよ?」

「そうですか……救急車呼びますね」

保健の先生は、あわてて保健室を飛び出て職員室に向かった。

「勝山君ごめんね。私の所為で……」

私は、そのまま保健室を出て行った。
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