To be alive again
意外にも料理上手な彼は、殆どの食事は自炊。
…常備菜が多いのも理由かもしれないけど、ご飯さえ炊けば何とかなること多い。
冷蔵庫の中には大抵野菜の揚げ漬しとか、煮物とかあるから、本当にご飯とお汁さえ用意したらお昼ご飯なんて事足りてしまう。
きっぱりと『なんで金払って不味いもん食わなきゃいけないんだ』と言うくらい。
もちろん出かけた時は外食はするけれど、基本的に彼は引きこもりタイプ。
休みの日、特に用事が無ければ家に居ることが多い。
彼と過ごす日常の記憶をたどって気がついた。
初めてだ。
彼が食事のために出かけるなんて、言い出したのは。
軽くシャワーを浴びて、出かける支度をして家を出る。
繁華街とかではないけど、歩いていける範囲にも多少飲食店はあるからそこに行くのかと思って居たけど、彼は当たり前のように車に乗った。
「ねぇ、どこ行くの?」
「飯食いに行く」
…いえ、ですから。
ご飯食べに出てきたことくらい判ってるの。
聞いてるのは「どこ」にご飯を食べに行くのかということなのですよ?と見上げるけれど、それ以上こたえてくれる気はないらしい。