To be alive again


「いいから乗ってな」

そういわれてしまうと後は翠には何も言いようがない。

訊いたって答えてくれないのが目に見えているから。

車に揺られる事、一時間位。

案外遠くに行くんだなー。さすがにおなかすいたなー…と思った頃に到着したのは、ちょっとよさげな小料理屋。

ランチもやってるらしくて、暖簾とランチメニューのボードが出ていた。

わざわざここに来たの?といぶかしんでる翠を他所に、彼は普通にお店の引き戸を開けて、聞こえてきたのは意外な会話。

「いらっしゃ…なんだ真、めずらしいな昼に」

「奥いいですか?」

彼の背中越しに覗いた店内、カウンターのところに居た先生よりも少し上に見える板前さん。

今、彼の事「真」って呼んだ?

翠が目をぱちくりさせている間に彼がさっさと中に入ってしまったので、翠も慌てて追いかけてお店の奥の小さな個室に上がった。
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