To be alive again

−−−−−

「先生っ」

電話口から響いてきた嬉しそうな声に真一郎は頬が緩む。

…なんでそんなに可愛いかな。

本音は、可愛くて仕方ないけれど、なるべく出さないようにしている。

出てないといい、と思っている。

「もう寝ちゃったかと思った」

「ごめん、風呂入ってた。
…雨、まだ止まないか?」

カーテンを少し開けて、外に視線を投げる。

街灯の明かりの中、雨粒が落ちていくのが見えた。

「…うん。せんせ、もう寝るだけ?」

様子を伺うような声音に、上目遣いで見上げてくる翠の姿が思い浮かぶ。

「ん、寝るだけ」

「あの・・・ね」

恥ずかしいのか言いにくそうに言葉が切れるのが、どこか可愛らしい。

きっと目の前に居たら、耳まで赤い。

何か頼みたい時とか、して欲しいことがあるときとか、いつもそう。

高校生の頃だったら平然として言ってきそうなことも、今の翠は凄く恥ずかしがる。

そういうのがまた可愛いけれど。

翠のお願いは、決まって可愛いと思えるようなお願いの事が多いから、つい口元が緩む。
< 43 / 97 >

この作品をシェア

pagetop