To be alive again
−−−−−
「先生っ」
電話口から響いてきた嬉しそうな声に真一郎は頬が緩む。
…なんでそんなに可愛いかな。
本音は、可愛くて仕方ないけれど、なるべく出さないようにしている。
出てないといい、と思っている。
「もう寝ちゃったかと思った」
「ごめん、風呂入ってた。
…雨、まだ止まないか?」
カーテンを少し開けて、外に視線を投げる。
街灯の明かりの中、雨粒が落ちていくのが見えた。
「…うん。せんせ、もう寝るだけ?」
様子を伺うような声音に、上目遣いで見上げてくる翠の姿が思い浮かぶ。
「ん、寝るだけ」
「あの・・・ね」
恥ずかしいのか言いにくそうに言葉が切れるのが、どこか可愛らしい。
きっと目の前に居たら、耳まで赤い。
何か頼みたい時とか、して欲しいことがあるときとか、いつもそう。
高校生の頃だったら平然として言ってきそうなことも、今の翠は凄く恥ずかしがる。
そういうのがまた可愛いけれど。
翠のお願いは、決まって可愛いと思えるようなお願いの事が多いから、つい口元が緩む。