To be alive again

怒っているか、といわれるとちょっと違う。

それはもう、昔の事だから。

声だけでも聞きたかった、と言われるのは…嫌ではない。

でも、そこまでするなら、待ってて欲しかった。

授業なんて一方的なものじゃなく、ちゃんと2人で話がしたかった。

あの頃、会いに来なくなったのは翠が決めたことだと思っていた。

翠が、自分に会いに来なくても大丈夫になったのならそれが一番良いのだと、考えるしかなかった

真一郎と翠は、教師と生徒だったから。

恋愛感情を持って生徒の翠と接するのは、教師としてはしていけないこと。

だから真一郎から翠に接触することは無かった。

そういう所はストイックな真一郎だった。

翠と接することは無かったけれど、『会いたくなかった』わけじゃなかったのだ。

「怒ってはいないけど、複雑な気分」

「…ごめんなさい」

シュンとして謝った後、翠は真一郎を上目遣いで見上げてくる。

「ねぇ、せんせ…やっぱり今日も…帰らなきゃ駄目?」

「駄目」

即答した真一郎に不満げに翠が口を尖らせる。
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